オンザロード69「茶畑のあとで捕まって(ライ麦畑でつかまえて風)」

旅に出て一か月が過ぎた。だが、感覚的にはもう三カ月も旅をしているような感じ。毎日違う風景を観て、毎日違う刺激を受け、ここでは時間がゆっくりと流れているかのようだ。まるで、人間だけがいつものごとく回転していて、時はゆるりとその身を刻みこんでいるかのようだ。どうやら今日は晴れそうだ。
国道152号線はまるで見捨てられた道路のようだ。これで国道って?今来た道はもう二度と通りたくない。
その日の昼、牧の原大茶園にいた。山があり、田んぼがあり、畑があって、そして茶畑がある。視界一面の茶畑。それは圧巻の風景。静岡の人にとってはなんでもない風景なんだろうけど、秋田から来た僕のとっては圧巻。静岡の人が見る秋田の雪景色も圧巻であるかのように。
お茶の郷で茶っぱを買った。誰に、というものではなかったが、結局は最近新しくできた友達へのお土産になった。さて、本日ここから気合を入れて、富士山へと向かう。
結構な直線道路。僕とサルパラダイス号は軽快に飛ばしていた。とはいっても安全運転の僕、時速59キロの快走。僕らは時速59キロで移動していた。・・・・・とそこに警察登場。ここは、これほどの道路であるのに、最高速度40キロの道路であるらしい。ネズミ捕りに捕まえられた僕はネズミに。まさかの19キロオーバー。反則金一万二千円の悲劇。ここまで節約してやって来たのに、全てがスポイルされた気分。正直かなりイラついた、もちろん警察に、そして自分にも。はぁー気を取り直して行こう。日本一の山へと向かうのだから、テンションはあげて行きたい。

それにしても僕は今まで何回交通違反で取り締まりを受けて来たのだろう。憶えているだけでもシートベルト二回、スピード違反三回。飲酒で捕まりそうになったこともある。パトカーに乗せられ、検査器にかけられ、絶対アウトだと思った僕はもう逆ギレ寸前。アレでアウトだったならばぶち切れ、パトカーを蹴飛ばしていたことだろう。が、なんとギリギリセーフ。マジっすかの僕は、警察になぜかお礼を言ってパトカーをおりた(笑)。さらにこの旅のあと、その後の人生においても、信号無視で一回、携帯電話使用で二回捕まっている。