レントンのTシャツ

トレインスポッティングは映画にもなったが、元々はアーヴィンウエルシュの小説だ。レイブ文学と呼ばれ、音楽でいうならばパンクロックと言うところか。十九歳の頃一気に引き込まれ読破したが、僕が面白いと思ったのとは別に、評論家の評価は様々だった。
僕はこの映画の主人公のTシャツを、その頃よく来ていた。一番のお気に入りTシャツで、成人式の二次会にも来て行ったような気がする。主人公のレントンは坊主刈りで、当時僕も坊主刈りであった為か、年輩の方にTシャツを指差され「これあんたか?」と三度ほど言われたことがある。このTシャツをあのキムタクもテレビで一度来ていたことがあり、それを見た友達や知り合いに「そのTシャツはキムタクより似合う」と何度か褒められた(褒められたっていうのも変か?)。お気に入りのTシャツを似合うと言われたのはやはり嬉しかった(しかもキムタクよりですから)。
映画の最後(小説もだが)、レントンは腐りきった現状にサヨナラするため、仲間を裏切り、その街から出ていく。次の文はエコーズの初期の歌の歌詞である。

口先で渡り歩いてきた仲間を裏切り
まともに生きる道を選んで勲章を捨てた
始めるのは今 真夜中のバックストリート
ラクタの中からどうしようもない夢を探して

まるでエコーズの歌の歌詞のようなレントンレントンのような過去を持つ辻仁成か。僕もまた同じだった。レントンのように僕は、両足首に田舎という鎖をつけ、引きずりながら・・・・。
 
トレインスポッティングに続編があることを、最近知った。