2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

オンザロード83「ラストシーンへの道への半年間」

高校を卒業して、地元の電話工事の会社に就職した。そこを半年で辞めて、僕は上京することにした。ただ上京とは言っても、とりあえずは半年間の出稼ぎという形だった。それが終わったらその後のことはその時に考えようと・・・・。それで、友達と東京へ・・…

オンザロード82「ラストシーンへの伏線の始まり」

高校生三年生の夏休み、僕らは東京へと遊びに行った。最大の目的は東京から組まれた名古屋への「立嶋篤史観戦ツアー」参戦だったが。友達二人と僕の三人は、五日ほど東京に滞在しただろうか。当時の僕らからすればそこも東京だったが、実際に宿にしていたの…

オンザロード81「鹿島神宮のあとに向かった場所」

鹿島神宮で手を合わせた。変なおばさんが近づいてきて、何かブツブツとつぶやくのでゾッとした。僕はそういう人がとても怖い。言葉が通じないものがとても怖い。だからか、動物も苦手。 さっき車で、鹿島スタジアムの前を通過したけれど、でっかかったなぁ。…

オンザロード80「偕楽園で膝が痛む」

道の駅きれつがわでの目覚め。今日も天気が悪そうだ。朝、肌寒く、雨、今にも降り出しそう。 袋田の滝は巨大であった。水量はイメージよりも少なかったが、横に大きく広がりながら、流れ落ちる姿は圧巻であった。ここに辿り着くまでの道のりもなんか良かった…

オンザロード79「日光東照宮にて一人ぼっちの僕」

尾瀬の疲れがこびり付いていた。そしてそれ以上に強烈何かが僕を支配していた。雪に閉ざされた尾瀬沼の風景。十年近い時が経った今でも、はっきりと思い出せる。目を閉じれば、あの場所に僕は再び存在できるかのようだ。 その後、中禅寺湖を目指してきた僕。…

オンザロード78「水芭蕉の花は咲いていなかったがもっと輝いた何かが咲いていた」

尾瀬沼から戻ってきた僕に、さっきのおばちゃん軍団とは違うまた別のおばちゃんが、「水芭蕉はキレイでしたか?」と聞いてきた。「いや、まだ咲いてなかったですね」と僕。そしたらおばちゃん「あら、やっぱり行かなくて良かったわね」と来た。あなたに行け…

オンザロード77「遥か過ぎる尾瀬、遠過ぎる空」

「車両進入禁止」とあった 大清水とは多分地名であろう。 ここより尾瀬沼まで7,5キロ 看板は僕に歩けと言った 僕は往復15キロの道のりに 覚悟のうなづきを見せた ここではまだ僕は何も知らぬ ただの観光客であった 遥かな尾瀬 遠い空歩き出した僕の横で…

オンザロード76「この旅のクライマックスと名付けられた場所」

朝目覚め尾瀬へと向かうことに。小雨がぱらつき霧がかっている。 この日僕は、この旅のクライマックスとも言うべき出来事を迎える。この旅がもしも一つの物語ならば、間違いなく一番のメインシーン、まさにクライマックス。僕はあの歌で有名な尾瀬へとやって…

オンザロード75「美術館と文学館で過ごす」

導かれるようにしてここへとやってきたように思う。実際は偶然に見つけたのだが、それでもこの旅の中で、ここを訪れない分けには行かなかったように思う。偶然のあとに僕は思いだした。彼は確かに高崎生まれだった。高崎から世界へ・・・・行く予定だったと…

オンザロード74「軽井沢ノスタルジー」

その日は朝から雨が降っていた。憂鬱な音を立てて。 雨が降る中、車を走らせる。やってきた場所は旧中込小学校。かなり昔の、確か大正時代とかの小学校だったような気がするが、それが今一般公開されているもの。なつかしい、あれもこれも、なつかしい。僕は…

オンザロード73「武田神社の奇跡」

武田通りを歩いて行くと、そこには武田神社があった。建物自体は地味であったが、迫力と存在感を感じる。その迫力と向かい合っている時、僕の目の前を二羽のニワトリが通った。野生の?飼育の?どちらにしても不思議。こんなところを歩いているなんて。それ…

オンザロード72「日本三奇橋制覇へ猿橋を訪れる」

忍野八海を後にして、河口湖へとやってきたが特に何の感慨もなく、それは僕にとっては他と変わらぬ湖であるだけだ。というか、湖に対する感慨もたくさんの湖を見るにつれて薄れてきているのかもしれない。この種の刺激に慣れて心も鈍くなっているのかも。釣…

オンザロード71「三島由紀夫文学館は森の中」

僕は富士山を見た。巨大な、強烈な、端麗な、その美しさを見た。 本日は神奈川県の、道の駅山北で眠る。もしかしたら一番運転した日かもしれない。疲れた。翌朝・・・・昨夜はあまり眠れなかった。この道の駅は道路の脇にあるもしもしピットのような様相で、…

オンザロード70「富士山が顔を出すのを待つ」

富士山へと入るゲートを潜る時、久々に興奮した。この旅四度目の胸の高鳴り。僕の乗ったサルパラダイス号は、胸のドキドキと共に進んで行く。五合目までは車で行ける。いざ進め、サルパラダイス号。だが、生憎天気は悪し。富士はほとんど見えないほどに。 五…

オンザロード69「茶畑のあとで捕まって(ライ麦畑でつかまえて風)」

旅に出て一か月が過ぎた。だが、感覚的にはもう三カ月も旅をしているような感じ。毎日違う風景を観て、毎日違う刺激を受け、ここでは時間がゆっくりと流れているかのようだ。まるで、人間だけがいつものごとく回転していて、時はゆるりとその身を刻みこんで…

オンザロード68「諏訪大社で時の扉を開ける」

黒部ダムより下界へと下り、僕はまずこの旅四度目の洗濯をした。 その後諏訪大社へと移動。諏訪大社には春宮と秋宮があり、初めに春宮へ。静かでうららかな春がそこにはあった。万冶の石仏がある場所では、川が流れ、畑があり、蝶が飛んでいる最高に僕好みの…

オンザロード67「黒部ダムにて殉職のこと」

小雨がちらついているが、青空も少し見えている曖昧な天気。僕はトロリーバスに乗り込み、黒部ダムへと向う。黒部ダムは、辞めた会社の事務員森屋さんおススメの場所だった。旅行で一度訪れ、甚く感動したという。旅立ちの前僕に、「黒部ダムには絶対に行く…

オンザロード66「飛騨の山で温泉に入る」

平湯温泉のひらゆの森で風呂に入ったのだが、露天風呂がなんと六つもあった。飛騨の山中になる露天風呂。周りは山と川と木ばかり。落ち着く中で極楽のため息を一つ、深く吐いた。 そして車にて、深い山より下りて行く。天狗の森のような深さだ。そこから時間…

オンザロード65「2000ピースパズルのような白川郷」

昨夜はよく眠れた。今日は曇り空だ。 早朝日本の真ん中、そのセンターへ来た。日本一の日時計があり、3・7・3と記されている。美並(みなみ)の3・7・3だ。それと多分ではあるが真ん中の意もあるんだと思う。 そして白川郷へ。世界文化遺産ということだった…

オンザロード64「養老の滝へ、何かを汲みに」

熱田神宮は土曜日もあってか、人でごった返していた。宮崎神宮でも行われていたが、ここ熱田神宮でも結婚式が行われていた。僕も、こういった場所で、結婚式がしたいなぁと思った。 そして天下の名城「名古屋城」へ。外観はとても綺麗であったが、形だけとい…

オンザロード63「伊勢志摩で暴走族のウイリー」

道の駅伊勢志摩、今夜はここで眠ることに。 ・・・・・・その夜、とうとう来た。暴走族?・・・バイク軍団が。 僕は道の駅の駐車場真ん中辺りに車を止めて眠っていたのだが、僕の車の周りを回りながら、ウイリーの練習?で遊んでいた。ちょっかい出してくる…

オンザロード62「ともやま公園の夕日を待つ」

入った温泉は海沿いにあり、温泉というよりかリゾートホテルを小さくした感じの、とても雰囲気の良き場所だった。そのあと僕は海沿いに車を南下させた。 鳥羽展望台に上り、そこから太平洋を見下ろした。波が強く、水平線は実に曖昧に揺れていた。時はゆるり…

オンザロード61「伊勢神宮おかげ横丁夫婦岩」

伊勢神宮は思い描いていたものとはだいぶ違っていた。神宮と言えば綺麗なオレンジ色を基調としたものを見て来たし、それに伊勢と言えば伊勢エビ、それも綺麗なオレンジ色だったから・・・・・それが極シンプルな、素朴なとも言えそうな、僕は鮮やかなオレン…

オンザロード60「奈良にてこの旅二度目の職質」

その夜二度目の職務質問を受けた。佐賀での職質に続き二度目。何をしていると聞かれ、旅をしていると答えると、何が目的だと聞いてきた。はぁー、旅自体が目的ですけど。村上春樹曰く「説明しなければ分からないということは、説明しても分からないというこ…

オンザロード59「奈良の大仏と向き合う」

高野山を後にして、僕は一つ迷っていた。奈良の大仏を見に行くかどうかを。高校生の時に修学旅行で一度見ていた。結構距離もあるし、だから行かなくてもいいかなと。それで結局はというと、僕は奈良の大仏を見に行った。結果、行って本当に良かった。高校生…