自分がいない

本当の答えってなんだろうか?
誰もそんこと言っていないのに
自分で問題を作ってこんがらがっている

唄は出来たか 絵は描き上がったか
料理は出来たか 恋人はいるか
何もしなくても ツメは伸びるヒゲは伸びる
努力しなくても 心臓は動いている

雨が降ってきて 僕は濡れる
ずぶ濡れになって 体も冷える
雨が降らなければ 僕は濡れなかった
ずぶ濡れにも そして風邪もひかなかった
それは空が決めたのか
僕はそれに沿って 
濡れるしかなかったんだろうか

あの日の言葉を思い出している
僕にはどうすることも出来なかったんだ
河原に二人 夕日に染まり
僕が流した涙は 僕が流したんだろうか

夕日が青ければ 僕らは青色か
夕日が赤いから 僕らは赤色なんだろうか

呼吸音がしている
それに不意に気付く
その後さらに気付くのは
呼吸音は僕のものということ
少しだけ耳障りだと思いながら

円周率は果てしなく続くが それでは話が進まないので 
とりあえずあの数字になった 便宜的に
先生が言ったんだろうか あの人が言ったのか
そういうことも必要なのだと 
大体の答えでいいのだと

それでもそれに触れてみたいと思うのは間違いだろうか
触れてみたい どうしても
触れてみたい 無性に
ただ 僕が幼稚なだけか

本当の答えに 僕の存在は微塵もありはしなかった
いや、それはもしかしたら
少しだけ違っただけかもしれない
少しだけ パズルで言うなら例えば数ピースだけ
でも それは
やっぱりまったく別の答えだ

ただ残念なことに
そんな僕でも 僕は僕なんだ
数ピース違う僕も・・・・僕