ロックを持って社会に参加する

僕が十九歳の時結成したバンドは、全てオリジナル曲をやっていた。僕が作詞し、ギター担当のカッチャンが曲を作った。曲に詞をのっけるパターンと、詞に曲をつけるパターンとをほぼ交互にやった。バンドとしての曲は、全部で20曲位だったと思う。
その時のバンド名は「アンガージュマン」。かの哲人J.P.サルトルが使った言葉で、アンガージェする、というのが一匹の狼の選択がその他大多数の狼を先導しうる、という意味で(当時の僕の解釈です)、「アンガージュマン」が、例えばとなるが小説家が政治に参加するとか、哲学者が政治に参加するとか、そんな感じ。広義に言えば、これというもの(絵を描く能力、歌を歌う能力、ニンジンを売る才能などなど・・・・)を持って、政治に、社会に、現実に参加しいくこと。そして僕達はロックを持って参加していきますよと。世界を救うのは政治じゃない、世界を救うのはロックだと。人々が感動し、勇気を持って行動に出ることだと。

僕達のライブ登場時の紹介文が
「ルックス最低、エスプリ最高、Heyアンガージュマン
だった。みんなに(司会者にさえも)「なんじゃそりゃ」と言われた。