ぼんやりとした不安と「6」

朝のラジオで鈴木杏樹芥川龍之介について喋っていた。そしてその1時間後、今度は武田鉄也が芥川について喋っていた。・・・・今日は芥川龍之介の何かか?、と思いながら・・・・少し芥川について。
日本の小説家で天才的な人物を3人挙げろと言われたら、まず芥川、そして三島、そして村上春樹かな、と思う。そして、いちばん幻想的なのが芥川かな。芥川龍之介は、まず名前がカッコイイ。そしてルックスが良い。大正時代の作家と言うのも良い。大正って、長い明治と長い昭和に挟まれた短い時代で、刹那的で幻想的な気がするのは僕だけだろうか。芥川の作品で僕が一番好きなのは「歯車」。まあ、全部良いけど。
芥川龍之介は最後薬を飲んで自殺した。遺書があり、自ら死んでいく理由を「ただ、ぼんやりとした不安」と言った。未来に対するぼんやりとした不安、それだけで人が一人死んでいった。芥川35歳の時だった。
ここでハッとした。僕も35歳、芥川はこの年で死んだのかと。もう少しすれば僕は芥川龍之介より年上になる。時代は平成であるが。

その後のラジオでジュークの歌がかかった。懐かしいなぁと思いながら、ジュークをプロデュースしていたのは「326」であったことを思い出した。「326」と書いて「ミツル」と読む・・・らしい。僕はこいつが大嫌いだ。「326」はかわいらしい絵に何か言葉を添えて、何かそういったものを生業としていたはず。相田みつをのような感じかな。ちょっとしたいい言葉に絵。こいつのその言葉に「なんたらかんたらは、手すりのないベランダに似ている、なんたらかんたら(正直なんたらかんたらの部分は覚えていない、ベランダの部分は確かそんな感じ)」っていうのがあったはずだが、「なんじゃそりゃ」と思った。全然うまくもないし、こんな例えだったら何でも当てはまるし、やってはいけないむしろタブーじゃねっ、と思った。ホントこんなんでいい気になられてはたまりませんわ〜とも。
歌人枡野浩一が「326」を批判めいた後、次のように言ったことがあった。「326」の「6」を「ル」って読ませて「ミツル」って無理があると思う。どっちかって言ったら「サブロー」だろう、と。僕もサブローの方が似合っていると思った。