名前は「フラジャイル」にしよう

25才の頃、仲間二人と、主に詩、その他短編小説と写真と絵を扱ったミニコミ誌を作ろうということになった。まずはそのミニコミのタイトルを決めようということになり、僕の部屋で三人で頭を悩ませた。タイトルはバンド名同様重要である。なかなか決まらない中、Kが僕の本棚を見て、その中から辻仁成の戯曲集を見止め「フラジャイル良くない?」と言った。フラジャイル-コワレモノ・・・・それいいね。僕はバンド名でもなんでも自分にとって重要なことは自分で決めなければ気が済まない性分であった為、すぐに賛同した自分自身にビックリした。
確かに僕らはコワレモノ注意の世代だった。
そして偶然であったが、Kはネット上での名を「フ」から始まる名前をつかっており、僕のあだ名には「ジャ」が付いた。それでもう一人の仲間のペンネームの頭に「ラ」を付けたらという話になり、そいつはすぐに気に入った名前を思いついた。この後、仲間を二人増やし、その二人のペンネームを「イ」と「ル」から始まるものにしてもらい、五人で「フラジャイル」と名乗ろうかという話に・・・・ちょっとゴレンジャーみたいなノリ。そうしてその後各々の詩をとりあえず持ち寄ろうということに。数日後、仲間二人の、特にKの詩が良くて僕のテンションはアゲアゲに。これは良いものが出来上がるぞと。
けれどもその後ミニコミ作りは難航し、事が進まず、イライラしてきた僕は一人でそれを作ることにし、ミニコミ誌まではいかないちょっとした試験バージョンみたいなのを作り上げた。

つづく・・・・・・・・