スキーがものすごく下手だが、そんなことはたいしたことじゃない

クラスの男子で二番目にスキーが下手だった(一番はモーリススミスより黒かった彼だ)。一度なんかハの字で山を登っているおり、エッジを利かせるのが甘かったからか滑ってしまい、僕の後ろをハの字で登っていた友達のスキー板に、目の下辺りを刺したことがある(相当腫れあがった)。四年生の時にはスキー大会で、一人不通過となり、五年生の時にはスキー大会をズル休みした(スキー大会の後モーリススミスより黒い友達の誕生会があったが、それにも行けなくなった。楽しい誕生会に行くことよりも、スキー大会に出ない方を取ったことだ)。
スキーの上手い下手は、親の影響も大きいと思う。親がどれだけ連れて行ったか、それはスキーの上達にかなり関係がある。僕の兄貴は運動神経が抜群に良かったが、やはりスキーだけは苦手で、その時だけは通信簿が常に「5」の体育も「4」になったらしい(スキーだけなら「2」とかのレベルだったとのこと。冬はマット運動とか跳び箱もあった為どうにか「4」まで上がった)。本当にスキー授業が嫌いで、中学三年生の時には、スキー板を裏山にブン投げ、「スキーなくなったからやられない」ともうスキー授業にはでなかったらしい(メチャクチャだ)。
僕は長距離走がそこそこ速かった為、小学五年生の時だろうか、無理矢理ノルディックスキー部に選ばれたことがある。冬休み練習初日、これまた無理矢理選出された悪友と、やる気ナッシングばっちり遅刻して行くと、体育の先生でありスキー部監督のイシケン君は、僕ら二人を「ざっぱ汁」と言いやがった。レギュラーを順番に選出し、残りお前らは「ああ、ざっぱ汁」かと。僕達二人は次の日からもう行かなかった。
それなのに六年生になっても、またも二人ともノルディックスキー部に選ばれた。その時は何度か練習に参加していたのだが、ある日僕と悪友に先にグランドの方に帰っていいという。ラッキー、なんて僕ら二人は悪ふざけしながら帰って来たのだが、少しして戻ってきたレギュラー組がみんな手にはカロリーメイトを持っているのには驚いた。僕達にはくれず、レギュラーだけにそれをくれるために、「ざっぱ汁」を二人先に帰したのだ。そんなイシケン君、いや、先生もおりました。