脳と悩むは字が似ている

科学の進歩によって、これまであまり解明されていなかった脳の仕組みがだいぶ分かって来た。脳科学は今、一番旬な科学かもしれない。
日本の脳学者の中で一番有名なのは茂木健一郎だろう。彼の本を読めば分かることだが、彼は脳科学よりも哲学が好きなようだ。というか元々は哲学研究者か。元々哲学を研究していた人間が、旬になって来た脳科学の分野に移って来た、実はそういう人は多く、彼はその典型であり代表と言える。生活の問題とかもあるのかな、よく分かんないけど。
僕も脳科学関係の本を10冊以上は読んでいる。いやはや確かに面白い。僕の中では断トツで池谷裕二の本が面白い。彼の本は、変な宗教本よりも人生を導いてくれる。脳が分かれば、実際的に人生観が変わる。悩んだら、脳科学本、ですね。
脳の実験の話で面白い話がある。脳の実験では、人間と同じ哺乳類であるネズミが使われる。Aのネズミの脳をBのネズミが食べると、Aのネズミの記憶がBのネズミに移るか、という実験が行われた。もちろん移る分けがない。いつの時代の話?と疑問に思うだろうが、これが実は20世紀代の実験であるという。この話だけで、脳科学がどれだけ最近のものであるかが分かる。
もう一つ。心はどこにあるか、ということになり、まず胸のあたりが調べられた。だがもちろん胸に心を司る部位があるはずがない。「ああ、そうか、脳か」となり、今度は脳が調べられた。けれどもここにも心に当てはまる部位はなかった。では心とは何か。これが最近分かったことだが(ちなみに胸を調べたのは19世紀の話)、心とは脳内物質のことだった。脳内物質が出る現象自体というか・・・・・。脳内物質とはドーパミンとかのことですね。

脳のことを脳で考えている。なんか不思議な感じ。