ハナタレ小僧がナマイキにも営業について語る

営業の仕事をしていたことがある。自分で言うのも嬉しいが(笑)、記録的営業数字を打ち立て続けた。
まず入社直後は新付なる仕事をやらされる。家家廻りをして新規のお客を獲得するのだ。取れない人は一日廻って一軒も取れない。二日廻っても一軒も取れない。一日五件取れれば褒められる。七件取れれば職人と言われ、十件取ろうものなら新付の神様と言われる。僕は半日で十件取ったことがある。半日で神様になったのだ。
その研修期間が終わると、今度は本格的な営業に入る。キャンペーン商品があってそれを売るのだが、もちろんそう簡単には売れない。売れない人だと一月で一個か二個、普通の人で十個いけば良い方、売れる人で二十個売れれば良い方と言ったところである。僕は単月でこれを七十個売ったことがある。
この会社は常に求人を出していて、来る時には毎日のように面接の人が来ていた。だいたいは面接で落とされる。面接が通ったとしても新付で取れずに辞めていく。新付をなんとか乗り越えたとしても、その後の営業で数字が上がらずに半年持たずに辞めていくパターンがほとんどだ。ここに残り二年やれたらその人は自分に自信を持っていいと思う。残った人間、共に働いた人間は本当に個性的で、魅力的で、面白い人達ばかりだった。あの頃はあの頃で、・・・・楽しかったなぁ。
つづく・・・・・。