マンガの仕事、小説の領分

その昔、いずれ極道になる友達と、寿司屋で呑んでいた時の話(当時よく寿司屋で呑んでました、二十歳そこそこでチョット生意気かな)。その友達もマンガが好きで、俺がマンガを描くなら的な話になり「日常的なことを延々と描くな俺なら。例えばパチンコ屋に入って、負けながらイライラしながらいろんなこと考えて、帰りにコンビニよって雑誌立ち読みしたり、でおにぎりとカップラ買って帰ってとか、それ食ってとか、そんな普通のことも延々と描くよ」と。で、僕が答えた分けです。「あのさ、言いたいことは分かるけど、今までにない的に言いたいんだろうけど、それはマンガの仕事ではない。そういうのはマンガの仕事ではないんだよ。それは小説の領分でありマンガでそれをやっても面白くはならないよ。小説なら面白くできるだろうけど。何度も言うけどそれは小説の仕事」と。そのいずれ極道の友達も、なるほど的に納得してくれました。が、その数年後読んだマンガに、なんと日常を淡々と描く的なものがあり、しかも面白くてビックリした。見事にその分野を、マンガで表現していた。それは井上三太の「トーキョートライブ」の別冊的なものに載っていたもの。まぁ、もともと「トーキョートライブ」自体が、日常のささやかさに根付いているけど(あなたの知る東京とは少し違うもう一つのトーキョー)。
「トーキョートライブ2」は面白いので超おススメです。やっぱメラが好きだけど、カイもいいよなぁ。そういやカイの真似して黒のダウン着てたなぁ、昔の俺。