告白は唐突に(恋の伝説2)

僕は彼女の年齢さえも、もちろん知らなかった。22か、23くらいかな?、出来れば24くらいならいいなぁ、と漠然と考えてはいたが(少しでも年齢が近い方が可能性があるかなと言う意味で)。
電話したのは次の次の日。夜ご飯を食べに行く約束を取り付けるための電話だった。ぎこちない会話の中、年齢の話になり、僕が30歳であることを告げると少しビックリした様子だった(僕のことを25か26位に思っていたらしい)。そして彼女の年齢は・・・・22歳、正直厳しいかなと思った(僕はいいんだけど、彼女がね。30と聞いてビックリもしていたし)。一応ご飯を食べに行く約束をして電話を切ったが、僕のテンションはやや下がり気味だった。
夜ご飯当日、待ち合わせはショッピングセンターの駐車場、彼女はエステの後にそこに来るとのこと。エステって・・・・自分との距離をまた少し感じつつ、僕は待ち合わせ場所へと向かった。
待ち合わせ場所に着いた彼女が僕に一番初めに聞いたのは「本当に30歳ですか?」という年齢のこと。僕はもう苦笑いするしかなかった。
車を走らせ「何食いたい?」と聞くと、彼女はすぐに「焼き肉」と答えた。僕も何度か(何度も?)こうして女の子と夕飯に行ったことがあったが、初めての時に即答した人はいなかった。現代っ子か?、とまた少しだけ年齢のことを思った。
焼き肉を食べ終わると、僕達は日本一深い湖までドライブをした。金色の女神さまのところまで行って、僕はそっと願い事を言った。
その日200キロ以上は走ったかな?、僕としてはそれなりに楽しく終えられたし、家に戻ると彼女から律儀にもお礼メールが届く。僕は完全に気持ちを持って行かれながらも、想いが届かない予感に心が千切れてしまいそうにもなっていた。
そのあと、今度は僕の地元で夕飯を食べた。彼女は時間を気にしながら、9時を回ると次の約束場所へと行ってしまった。
三度目のデート?は朝から、少し離れた水族館まで車を走らせた。僕はその日、告白するつもりだった。水族館のあと海の見えるタワーに上り、そして港を少しだけ歩いた。港付近に占いをしているところがあって、彼女曰く今日来てる占い師は有名な人とのこと。彼女はそういうのをどうやら信じているようで、僕はあまり信じないほうだったが、彼女が占ってもらいたがっているのを察して、「見て貰ったら」と勧めた。それで見て貰ってどうだったかと言うと、良く当たる占い師曰く「いい人は来年現れると」のこと、俺これから告白するんですけど(汗)・・・・。
デート?も終わり頃、僕はとうとう告白をした(それは唐突に)。あまり能書きはたれずにシンプルに気持ちを伝えようと決めていた。付き合って欲しいことを告げ、僕は奇跡を起こす為の紙キレを彼女に渡した。それは僕の想いを書いた「詩」だった。彼女の気持ちが僕に来ていれば分かる、がどうやら来ているとは思えなかった。それならば奇跡が必要と考え、用意したものは僕のアイデンティティーヨロシク、もちろん「詩」しかなかったという分けだ。詩のタイトルは「金持ち」。全文掲載したいところだが手元にない為それは叶わない(残念)。掲載すれば世界は感動することだろう(笑)。
返事は何日か待って欲しい、ということに。待つことが苦手な僕の長い日々が始まった。
つづく・・・・。