薔薇の花束を抱えるまでは・・・・・(恋の伝説4)

それからまた一週間くらいしてから、ご飯を食べに行った。会話をしていく中で、僕の想いがまったく届いていない分けではなかったことを知った。この一週間ドザエモンのように沈み込んでいた僕は、少しだけ希望を取り戻した。僕の全てをこの恋に注ぎ込もうと思った。と同時に、君の心を貰いうけるのは絶対に僕だとも誓った。
そのまた一週間後位かな?、フラレた後の二度目の夕飯。中山美穂の母親経営のパスタ屋さんへ。会話の中で子どもの名前の話になり(男の子ならどう名付けるとかそういう話)、「もう決めているんだ」と僕は言った。「え?どういうこと?」と彼女。実は僕は22歳くらいの時に、そう丁度当時の彼女くらいの歳の頃に、男の子なら名前は「○○○」と決めていた。それを当時の30歳の時まで、誰にも教えたことがなかったが、彼女にはすらりと教えてしまった。そしてその名前は、僕と彼女の間の子どもに、いづれ名付けられた。
失恋後三度目のデート?は映画を観に行くことに。何を観に行くか迷った挙句、「NANA2」に決めた。それに先立ち、マンガも映画の1も観ていない僕は、彼女からとりあえずマンガを全巻借り、映画もゲオで借りて観てみた。マンガの感想は、少女漫画を軽視していたことを恥じることに、正直面白かった。レンタルした映画の1の方も、観た人の評判はイマイチだったものの、僕はそれなりに面白かった。特に、家出してきた成宮を説教する中島ミカが、流れて来たナイスな音楽に反応して説教なんて吹っ飛んでしまうシーンが良かった。分かる分かるって感じ。基本的に中島さんが良かっなぁ〜・・・と映画の批評は今はどうでもいいか。とにかくそれで映画を観に行ったわけです。
それで映画を観終わり、夕飯も食い終わり、いつもならさっさと帰っていく彼女が、その日は何かまだ一緒にいたそうな雰囲気。それに反応して僕の気持ちもぐっと高まり、もう「彼女になって」と言いたくてしょうがない僕。でも僕は決めていた。このデート?の数日後に、スーツを着込んで薔薇の花束を抱えて告白しに行くことを。だからぐっと今は堪えて。でももう我慢できない・・・・でも焦って告白してフラレたならば僕は後悔してしまう。理想の形で告白して、フラレたのならば諦めもつくだろう、だが今告白してフラレたら一生悔やむぞ僕よ待て・・・・・。僕はその日告白するのをどうにかこうにか堪えた。そしてその二日後、二度目の告白を・・・・・した。
・・・・・つづく。

次回が最終回です。一つのささやかな奇跡が起きます。