ロダンの「悩む人」

ロダンの「考える人」。一度見たことがあるが、思っていたよりもずっと大きくてビックリしたものだった。その迫力は素晴らしかった。
「考える人」って言うのは、人間の真理をとらえていると思う。人間ほど考える生き物はないから。考えるっていうだけで、それは人間を指すと思う。けれどもさらに言うならば、「悩む人」ならば、もっと良かったんじゃないか。ロダンの「悩む人」。他の動物は悩んだりしない。悩むのは人間だけであるから、悩む=人間、それはつまり真理そのものだ。なぜ生きているのか、存在理由はなんなのか、幸せってなんだろう、そんなことを人間以外の動物が悩んでいたらば逆に笑えてくる。取りとめのない、答えもないだろう事に悩むなんて、何とも人間らしいと言えるだろう。悩む、それはつまり人間。「考える人」というタイトルも十分素晴らしいが、「悩む人」ならばもっと良かったと思うのは僕だけか。
「考える人」のモデルとなったのは、詩の構想を練っているゲーテだったということ。