オンザロード3「タカタク登場、五百円玉は何枚?」

さあ貯金箱を開けようか。だが折角これだけ頑張ったのに、一人で開けて、一人で数えるのはなんだか寂しい。そこで僕は、友達を呼んで二人で数え、その感動を分かち合うことにした。そこで選出された友達は、通称タカタクと呼ばれる大親友だった。
ここで少々彼のことを紹介しておきたい。彼はいわゆるイケメンで、それはまあ良くモテた。自分でも顔に自信があり、スマップの話になると「草薙よりずっと俺の方がカッコイイ。でも俺がスマップに入ると顔が信吾とかぶるし、名前がキムタクとかぶるからなぁ」とどうでもいい心配をしているものだった。女の子に声をかける時も「お前(一緒にいる友達)が喋る役。俺が顔を見せる役」と良く言ってたとか。とにかく顔に自信満々。彼の夢の話で面白い話があるが、それはまたの機会にということで、話を戻します。
連絡をすると、タカタクはすぐに駆け付けてくれた。それで麻雀で使う雀マットの上に十枚単位で、つまりは五千円ずつ並べて行くことにした。まずは缶きりを突き刺し、ぎりぎりとこじ開けた。自分でもびっくりするほどのとんでもない量の五百円玉だ。タカタクが「全部五百円」と驚きの声をあげた。僕らは無言で五百円玉を重ね、並べ始めた。
そう言えば小学生の頃、僕がビックリマンシールを二箱大人買い(40×2=80個)した時も、タカタクに来てもらって二人で次々と開けたものだった。一箱に一枚しかないヘッドシールをタカタクが開けた時には、二人の間に微妙な空気が流れた。全部開け終わると、ビックリマンチョコを大量に、タカタクは家に持ち帰った。タカタクには妹と弟がいたから・・・。五百円玉を一緒に数えながら、あの頃が思い出された。
それでとうとう並べ終え、ひと塊ずつ数えて行く・・・・と、なんと・・合計・・・・五十一万とんで五百円という結果。枚数にして1021枚、見事に目標を達成したという分けだ。
それでその後、タカタクと僕がどうしたかは忘れてしまったが(呑みにでも行ったのか。ドライブにでも行ったのか)、その翌日から僕は完全に出発の準備に入った。