オンザロード8「新潟の桜道を行く」

清々しい朝だった。五時半起床。昨夜は眠れるか不安だったが、少々図太くなったのか、それなりによく眠れた。顔を洗い、歯を磨き、出発。車はぐんぐん進んで、10時頃には柏崎市まで来た。この頃まだ、新潟沖の地震は起きていなかったし、この街に原発があることすらしらなかった。四年後にはあんな地震が・・・・。
僕はなんとなく見つけたトルコ村に入る。見事に整備された広い空間だ。朝も早いこともあって、観光客は誰もいない。働いているトルコ人が数名いるだけだ。もしかしたらトルコ人ではないかもしれない。トルコ村という名から、僕は彼らを勝手にトルコ人と推測した。例えイラン人でも、例えインド人でも、僕には見分けがつかないし、あまり重要でもない。
僕はそこでシルバーリングを買った。1000円と安いやつだったが、形が気に入ったし、トルコ村の記念にとも思った。トルコ村の中庭には神秘的な石像が立っていて、僕を見つめていた。その石像に背を向けて、再び僕は出発した。
が、そのすぐ近く、僕はミュージック人形館を見つけ入る。入場料200円
と安いがもう二度と、例え無料であろうとも僕はここに来はしないだろう。こんなところすぐに記憶から消えてしまうと思う。しかし、もしかしたらこんな記憶こそがいつまでも残るのだろうか。とにかく僕は、いつか全てを忘れる。そして僕という人間だって、いつの日かこの地球という星に忘れ去られてしまうんだ。
13時18分、道の駅能生まで来た。その敷地、公園には、たくさんのオブジェがありどれも面白い。中でも特に気に入ったのが「海に向かって」というタイトルのものだった。腹が減ったが、もう少し先に進もう。
14時3分、この日の昼食はカレーハウスにてロースカツカレー。それにしても新潟は桜の花満開で、秋田よりも大分早い。確かに気温も高く、パーカーを脱ぎ捨ててしまいたいほど。
14時35分、ダイソーで地図購入。今日はもうクタクタで、ぐっすり眠れそうだ。
15時15分、道の駅親不知で、海に降りた。スリッパの代わりにと持って来ていたビーチサンダルが、思わぬところで役に立った。僥倖とまでは言わないけれど。
16時34分、海沿いにある「たから温泉」で疲れを洗い流した。腕立てを30回やり、体を数分捻った。たるんだ体を引き締めなければ。少し車の中で本を読んでから出発。
20時7分、道の駅滑川が今夜の寝床。歯を磨き、コンタクトをはずす。早寝早起きで行く旅(テレビも壊れちゃったし)。けど、その夜は実に長かった・・・・。