オンザロード17「ゲゲゲの鬼太郎の街で妖怪に会う」

水木しげるロードを歩いていた。ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクターがブロンズ像となり、アーケード街のような街並みの両端にズラリと並んでいる。この先には鬼太郎の記念館があるし、この道沿いに鬼太郎のショップも何軒かある。それに鬼太郎とネズミ小僧とネコ娘の着グルミが歩いてもいる。まさに鬼太郎ワールド。のちにこの街の空港は「ゲゲゲの鬼太郎空港」と名付けられたのではなかったか。
鬼太郎のショップに入ろうとしたら、フラフラ自転車を漕ぐ老人がいて、しかもその老人片腕がなくて、だからか運転も危なく、僕は思わず睨めつけてしまった。だって常に片手運転ですからね、危険。
ショップに入り鬼太郎グッズを見ていると、店員さんが話しかけて来た。「ファンの方ですか?」。急に話しかけられ、ファンとまではいかないまでも子どもの頃から好きなマンガではあるし、どう答えていいかその返答に窮する僕。そしたら店員さん「あっ、そうでもないですか。いや、あそこにいらっしゃる方が水木しげる先生なもので。もしファンの方であればお願いすれば記念撮影とか応じてくれると思ったものですから」と言うではないか。うん?、と見てみると店員さんが指差す先にはさっきの片腕の老人が。そう言えば水木しげるは片腕だったな、とそこで初めて思い出した。・・・・少し迷ったが店員さんも勧めてくれているし、旅の思い出にもなるからと思い、記念撮影お願いすることに。僕は水木しげるにそろりと近づいた。
僕が近づく気配に完全に気付いているはずなのに、決して僕の方を見ようとしない水木しげる。少し遠慮勝ちにお願いしてみる「すみません。写真一緒にお願いできますか」・・・・だが水木しげるはこちらを向きもしない。アレ?聞こえてないかな?。今度は大きな声でお願いしてみる「すみません。写真イイですか」・・・・ガーン・・完全シカト。さっき睨みつけたのを怒っているのかな。でもこの距離で完全無視はなくない?。で、僕は叫んだわけです、目の前の水木しげる大先生に、無礼もイイとこ、でもこっちもカチンときたし。
「お前が妖怪かよ」
ゲゲゲの鬼太郎の街で、本当に妖怪に出くわした僕だった・・・・。