オンザロード18「出雲大社には絶対にまた行く」

妖怪から逃げるようにして、僕は松江市までやって来た。松江城を見上げる街並み、すぐ麓には高校があり丁度下校時間、たくさんの高校生が歩いている。僕の目的地は小泉八雲記念館。本名ラフカディオ・ハーンの、偉業を讃えた記念館だ。彼は16歳の時に失明し、その左目をルックス的にコンプレックスとしていたため、写真に写る時などは必ず左に傾斜して写っている。僕にも、似たようなコンプレックスがあったなぁ。
その日は穴道湖温泉の社会福祉センター四階で風呂に入った。街を見下ろしながら体を洗った。それにしても暑い。
寝床は道の駅秋鹿なぎさ公園。隣りに止まった車は、なんと札幌ナンバー。自分よりも北のナンバーを、ここに来て初めてみた。その日はなんとなくぐっすり眠れたように思う。
次の日は朝から雨だった。僕は早朝出雲ドームへと向かった。
木製のドームは、雨に濡れながらまるで泣いているかのようだった。
そして出雲大社へ。とにかくここが素晴らしい。何がと聞かれても説明できない、が言葉ではなくて圧巻、ただただスゴイ、としか言いようがない。
しかし、ここで働いている人達はハローワークを通して勤めたのだろうか。かなりの人数がいるが、就職先出雲大社とは、なんか不思議。給料はどれくらいなんだろう?。
出雲大社に隣接するお土産ショップの食堂で、出雲ソバの三段割子を食べた。これが初ご当地名物となった。・・・・うまい、とにかくうまかった。当時のメモ帳にも「マジうめぇ」と書いている。
そしてすぐ近くの島根ワイナリーへ。ワインの生産工程などを見学できるのだが、ほとんど見学者はおらず、流行ってないなぁと思ったのもつかの間、ワインの販売所に行ったならば、人、ひと、ヒト、スゴイ人の数。なるほど人間はお金を使うのが好きなようだそして、どうやってできるかは結局は興味なく、本当はただ飲めればそれでいいのだ、それで人間なのだ。