オンザロード24「大都会福岡にて田舎者の憂鬱」

福岡県には、いわゆる100万人都市が二つある。福岡市と、そして僕が今上陸した北九州市だ。それにしてもすごい人。大都会感が溢れている街。それにここ門司港レトロは、異国情緒に富んだ雰囲気最高の場所。本当に外国にでも来た気分。
ここでも宮本武蔵はもちろんブーム。大きな幟があちこちに見える。僕は門司港レトロを一通り歩き終えると、松本清張記念館へ。そして、小倉城、小倉庭園を廻る。小倉庭園では説明してくれるお姉さんがいたが、かなりしんどい仕事だと思った。「この人スゲェ」ってマジで何度も思った。このお姉さんにしかできないんじゃないかな。
これらを廻って時刻は午後の二時くらいだったんだけれども、なんと朝から缶コーヒー一本とあめ玉を二つ舐めただけで、超腹減って死にそうだった。食べるタイミングがなかったというか合わなかったというか、あまりに腹減ってバックの横から発見したあめ玉は途轍もなく美味しかった。それほどの空腹で、その時僕は何を食べたんだろうか・・・・記されていない、なんでこの強烈な空腹を満たした食べ物を記さなかったんだろう。まぁ大したことではないけれども。
その後福岡市内を車で走り、キャナルシティなるショッピングモールを目指したが、道に迷い辿りつくまでにかなり難儀した。ホント気が滅入るほどに迷った。イライラして発狂するかと思った、マジで。
このことから当時福岡には良いイメージを持てなかった。旅はスムーズにいけばそれは良い思い出となるし、逆ならば思い出もまた逆となる。だからその時の僕の福岡へと思いは最悪。
ただ、僕は数年後、敬愛する先輩とその地を訪れ、楽しい旅の経験をしている。かなりの距離を歩いて辿りついた中州で、浴びるように飲んだ夜は最高に楽しかった。そこで知り合った人たちのことは今でもよく覚えている。車いすカップル。彼らは、僕達が焼酎に「梅干しを入れてくれ」と言うのを聞いて、「どこから来ましたか?」と聞いてきた。地元の人はロックか水割りなのだそうだ。・・・・・阪神ファンのオヤジたち。僕の先輩は熱烈な巨人ファンで、そのオヤジ四人対先輩の図式で、ソフトバンクの街で場違いな言い合いをエキサイトさせていた。僕は隣りで聞いていて楽しくて楽しくて仕様がなかった。オンザロードから数年を経て、福岡はやっぱりかなり良い街となった。
その日は唐津まで来て、鏡山温泉で風呂に入った。かなり立派な風呂だった。そして道の駅伊万里へ。缶ビールを2本飲んで、さあ、おやすみ。