オンザロード26「九州にいる秋田ナンバーの怪しい車」

武雄温泉にやって来た。ここはまさに温泉街の雰囲気。温泉に囲まれた道路を歩き、俗に言うキャバレー的なものも立ち並ぶ。遠くへ来たことを思わせる街並み。僕は遠くへやって来たのだ、としみじみ思う。
夕飯は「えびすらーめん」で、トンコツラーメンを食べた。いつも味噌ラーメンしか食わない僕も、ここは九州であるからとトンコツを注文してみたのだがこれがまた美味しい。僕はまさに食わず嫌い王で、例えばポテトがウマければポテトだけ食べていればいいタイプ。このような美味しいものがありますよ、と紹介されたとしてもまったく食いたいとは思わない。だからラーメンも味噌ラーメンだけ食っていれば良かったのだが、こうして食ってみるとトンコツも美味しいですね(あれから十年、結局今も味噌ラーメンですが)。
その日の寝床は道の駅山内。僕の地元にも同じ名前の道の駅がある。しかも雰囲気もどこか似ているような・・・・。
僕はここでカプチーノを買い、僕はここでカプチーノを飲み、僕はここでカプチーノを美味しいと思った。・・・・缶コーヒーではありますが。
眠りについた。道の駅山内の闇に僕の眠りは少しずつ深くなる。闇に同化して、僕は暗闇の一部となった。・・・・・とその時、何やら僕の車に近づく光り。足音がして僕の車の周りを歩く様子。一人の足音ではない・・二人?。その後彼らが乗って来たと思われる車のクラクションが鳴らされ(夜だと言うのに)、車によりライトアップされ、それでも反応しない僕に、今度は電灯で僕の車の中を照らしだしてきた。僕は仕方がなく起きた。職務質問。九州の道の駅に秋田ナンバーのスモークを貼った車。運転席と助手席を仕切るカーテンは確かに怪しかったかも知れない。でも、彼らの態度はいささか僕を腹立たしくさせた。それに形式的で、実利的ではない職務質問。いくら仕事とはいえ、逆に仕事だからこそもう少し何かあるんではないだろうか。
本日佐賀県にて、この旅初めてのショクシツ。