オンザロード45「後楽園を歩く詩人」

岡山市にある後楽園は日本の三名庭園の一つだ。金沢市兼六園に続いて、これで二つ目の名庭園。それにしてもしっかりと管理された庭園だ。しかも広い、広過ぎる。観光客も実に多い。
僕は歩いた。歩いて歩いて、歩きながら、僕は心の中で詩を思い浮かべていた。新たに生成される詩は、風景と同化しながらも、僕が歩いて来た道を言わんとしていた。僕の足音こそが言葉一つであり、綴られたその道は詩そのものではないか。僕はサンメッセ日南で、丘から見た丸い海を見る瞬間まで、地球が丸いということを忘れていた。思い出すその瞬間のスパークもまた、詩のようではないか。詩とはそもそもなんであろうか。「何をバカげたことを」と誰かが言うか。「詩は詩ではないか」と。確かにそうだ。だが確かにそうではないのが詩ではなかったか。詩とはそもそもな何か。道であるかもしれない。歌であるかもしれない。空であるかも、雨であるかもしれない。だが本当のところは分からない。分からないという答え、正解。そしてそれもまた間違いであるかもしれない。・・・・いつか、いつの日か、詩を捕まえてみたい。ギュッと、確かな触感を持って。けど、それもまた幻か。堂々巡りの中にこそ、その葛藤の中にこそ、詩の花一輪か。希望を言うならばと言うことではあるが。
続いて津山市へ。城東町保存地区は、NHKドラマ「あぐり」のロケ地だ。元々歩くのが好きな僕が、このような風景を歩ければ上機嫌で決まり。それでも昨日見た竹原の街の方が気合が入っていたようには思うが。