オンザロード55「田舎者、神戸の街を行く」

パリシェ香の館は十周年を迎えたとのことで、記念して餅まきが行われていた。僕は拾う気はまったくなかったが、偶然僕のもとへと飛んできた餅をキャッチ、それを隣りにいた子供にあげた。
僕はビャクダンの香のするブレスレットを買った(アレはどこにいったんだろう?)。そしてここで風呂に入った。
風呂からあがり大広間で寛いでいたのだが、そこにあったテレビでは野球中継が流れていて、ああ、なんと本場の阪神ファンの熱いことか。噂には聞いていたが、まさに噂通りの熱さでまるでコントのようであった。
その後、東浦ターミナルパークで半額弁当を買った。その日、旅に出てより読み続けていたマイケル・ギルモアの「心臓をつらぬかれて」を読み終えた。

その夜僕は一匹の蚊と格闘していた。寝ようとすると嫌な羽根の音が、耳元辺りを通過、その後決まってチクリとやられた。何十分、いや一時間以上格闘しただろうか。もうアチコチ痒くなっていた。
そしてとうとう僕の両の平はそいつを捕えた。パチンとなって、何かが飛び出た。よく見てみると、僕の赤い血だった。蚊の中からこれが全部出て来たのか?と思えるほどの大量のそれは赤い血だった。

早朝から僕は神戸へ。早朝から神戸、なんか普通に言っているけれどスゴイよね。
それにしても朝のラッシュアワーに巻き込まれ大変。都会はこれが嫌だね。まぁ地元の雪道はもっと大変だけど。
ハーバードランドまで来た。神戸港を眺め、ポートタワーを見上げ、阪神大震災の傷跡を見つめ、そしてループシティバスに乗って異人館へ。
そこではフランス館と風見鶏館を見学。異国の風景に心が躍った。僕は高校の修学旅行でここに来ているはずだったが、まったく憶えていなかった。本当は来ていないんではないかというほどに見事に。
色々なショップにも寄った。僕はそこで様々なリングを見て歩いたが、結局は買わなかった。神戸の街は、かなりいい。

宝塚市にやって来た僕は、すぐさま手塚治虫記念館へ。すぐさまというのは、夕方の閉館が迫っていたのだ。それで焦って中を見て歩いた。鉄腕アトムは結局は、2003年4月7日に生まれることはなかった。世界は手塚氏の想像力に追いつけなかった。
そのあと宝塚劇場の前へ。そして甲子園球場と西宮神宮、そして阪神競馬場を車の中から見た。
それにしても疲れた。今日は風呂に入れそうにない。風呂を探す力がないのだ。
・・・・と思いきや偶然風呂発見。800円と高めではあったが、ありついた風呂で気分もさっぱり。それにしても今日は金を使った。夕方十万円を卸した。