オンザロード70「富士山が顔を出すのを待つ」

富士山へと入るゲートを潜る時、久々に興奮した。この旅四度目の胸の高鳴り。僕の乗ったサルパラダイス号は、胸のドキドキと共に進んで行く。五合目までは車で行ける。いざ進め、サルパラダイス号。だが、生憎天気は悪し。富士はほとんど見えないほどに。
五合目までやってきて車から降りる。PM4時、まだ富士は見えず。
周りをうろついて見る。山小屋のような売店がある。僕はそこでストーンの首飾りを買った。何かパワーがあるのかな。結構気に入った。
PM4時36分。少し晴れてきて、だがそれでもまだ富士山は見えない。僕はうろうろする。決しておろおろはしない。それにしても今富士山の中。それはとても非日常であったし、マンガの中にでも入り込んだかのようなメルヘン。さぁ、富士よ顔を出せ。
PM4時59分。一時間待った。僕は雲の上にいた。空が晴れてきて、富士山が大分見えた。
これが日本一の山か。日本の象徴か。美しい、実に。ただ、世界遺産に登録にならないのはゴミが多いからとのこと。これほどまでに美しいのに、ゴミが多いのが現実。美を見てゴミを見ず、といったところか。都合の良き目隠しはいらない。しかも、汚しているのは僕達日本人ではないか。日本の象徴とも言える富士を、日本の象徴を汚す日本人。俺らはナニ人で、俺らはナニ者なんだろうか。