オンザロード72「日本三奇橋制覇へ猿橋を訪れる」

忍野八海を後にして、河口湖へとやってきたが特に何の感慨もなく、それは僕にとっては他と変わらぬ湖であるだけだ。というか、湖に対する感慨もたくさんの湖を見るにつれて薄れてきているのかもしれない。この種の刺激に慣れて心も鈍くなっているのかも。釣り人多し。
そして北口本宮富士浅間神社へと移動。なんとも素晴らしい建物であった。神社や寺もかなりの数を見てきているが、こちらは感慨あり、自分でも、はて?という感じだが。それにしてもこの神社、僕は好きだなぁ。その横に植わっている杉の木はとんでもない巨木。見たことのない大きさであった。
そしてさらに移動。僕が見たのは日本三奇橋の最後の橋「猿橋」であった。その猿橋、実に、実に地味に存在していた。錦帯橋は実に派手であったし、かずら橋は観光客でごった返していた。しかしこの猿橋、観光客の一人もおらず、田舎の有り触れた風景に同化していて、目立たず、目立たせようとする仰々しい看板もなく、誰もが素通りしてしまいそうな、そんな感じでひっそりとそこにあった。日本三奇橋制覇。実に静かに。
それにしても僕はどうやら橋が好きなようだ。橋は自分の名字にも入っている漢字であるし、川に橋を架ける凄さとか魅力を思わずにはいられないし、そこには夢や恋があると思う、想像力の飛躍だろうか。兎にも角にも僕は橋が好きで、三奇橋の中でもこの猿橋が一番好きだ。