ジャッキーチェンの速度

僕が小学一年生位の頃だったと思うが、ジャッキーチェンブームが日本には沸き起こっていた。いやーカッコ良かった。僕ももちろん真似て、即席拳法家になったものだった。パンチやキックを出しながら、口で風切る音を「フォッ、フォッ」と作った。楽しかった。
ジャッキーブームに便乗して、土曜の夜7時30分から「カンフー刑事」みたいなドラマが始まった。面白いのかつまらないのかは分からなかったが、僕は毎週楽しみにしていた。でも、野球中継で放送がなかったり、よく分かんないけど放送がなかったりして、そのうち番組自体がなくなってしまった。それは、本当に気付いたらという感じで、雲散霧消したような・・・。
僕は当時友達によく熱弁していた。もちろん相手も小学低学年だ。
ブルースリーは本当にアクションを映画の中でしていて、本当に強い。ジャッキーはアクションは自分でやっているが、強くはない。カンフー刑事はアクションもやっていないし弱い」。
僕は何を根拠にそんなことを熱弁していたのか、今では分からないがとにかくそんなことを友達に語った。
けれども今思えばあのジャッキーが弱い分けがない。あの筋肉、あの運動神経、あの俊敏性、普通の人間が相手ならば秒殺だったことだろう。
ジャッキー全盛の頃、彼のマックスのスピードについて行けるものがおらず、ジャッキーは映画撮影時には常に、自分のスピードを抑え相手に合わせてアクションをしていたらしい。ジャッキーは歯痒さを思いながらのアクションだったんだろうか。仕方がないことではあったろうが、フラストレーションもあったのかな。
そこにあのベニーユキーデが映画参戦、ジャッキーは初めて自分の本当のスピードでアクションをすることができたとのこと。さすがベニーユキーデ。そしてマーシャルアーツのカリスマとやり合えるジャッキーもさすが。
映画「スパルタンX」でのユキーデとのアクションシーンは必見です。本当の、本当の、本当のジャッキーのアクションがそこにはあります。