愛と短歌は地球を救うだろうか?

枡野浩一を真似て短歌を作ったことがある。僕はすぐに良いと思ったことは真似たくなるタイプの人間だ。何個か作ったが、何個くらい作ったのかは忘れてしまった。その書いた短歌もどこに行ってしまったのか、手元にはない。ただ、憶えている短歌が二つばかりある。まずはその一つ。

     夏の木に とまるアブラゼミだった頃
       一生よりも 七日を鳴いた

青春の、あるいは青春を越え、大人になることを社会から求められ出した頃の、僕達の日々の歌だ。

そしてもう一つ。

     ナメクジに 僕の名前を付けたなら
       砂糖をかけて 溶かして欲しい

夢の狭間で燻っていた頃の、無力で自己嫌悪に陥った頃の、歌だ。普通は塩でナメクジは溶けるだろうが、塩ではなく砂糖で溶けるという矛盾と、砂糖という甘ったるさに、溶けるくらいがちょうどいいんだ僕なんか・・というモロクソ自己嫌悪の歌ですね。

小学生の頃授業で作らされた短歌も憶えている。二つ発表させられ、みんなの意見で良い方を選び、しばらく貼りだすという趣旨のものだったが、僕のは二つとも良いということで二つ貼り出されたのだった。

     松島で 僕が見たもの夢のもの
        幸せ運ぶ 夢盛りかな

修学旅行で松島に行った後だった為、こんな短歌が作られた。この短歌は正直かなりテキトーーに作ったはず。ホント20秒くらいで。

もう一つの短歌が強烈だった。当時高校二年バリバリヤンキーの兄貴が、自分の部屋へと上る階段の壁に落書きしてあった言葉を、アレンジして短歌にした、いわゆる半分パクリのもの。小6とは思えぬ短歌です。

     メス犬へ 気持ち変わらず三年が
        時だけ過ぎし 卒業のなり

メス犬って何???って自分でも思いますが、ビーバップハイスクールから、貰った言葉でした。