シュールな夢を見ていたい

シュールレアリズムの画家、サルバドール・ダリ。僕がこの名前を知ったのは、真島のソロ曲「オーロラの夜」の歌詞でだ。サルバドール・ダリの絵みたいに夜がパラシュートを開く、という歌詞。その後、彼の絵を見て一瞬でファンになった。
シュールレアリズム、訳すと超現実主義となる。初め、これのどこが現実的な絵なんだろうと思った。超現実=かなり現実、と思い込み、ゾウの足が長〜く伸びたこの絵が、柱時計が泥のように溶けたこの絵が、かなり現実的ってどう言うことと。けれども、僕のただの思い込み。超ウケル、とか、超ウザい、とか、そう言った言葉が普遍性を得た昨今において、超を僕も=かなり、といった意味で使ってしまっていたが、本当は超えたという意味なんだものね。つまり超現実=現実を超えている、と言うこと。ダリの絵は、確かに現実を超えている。
シュールレアリズムとは、もちろん絵ばかりではない。その他に詩人がいるが、彼らが実に面白いことをしている。大分昔の話ではあるが、現実を超越した詩を、ということで、例えば脳の栄養素である糖分を取り、取りと言うか角砂糖をひと箱全部一気食いした後詩を書いてみたり、氷の上に正座して座りぶるぶる震えながら詩を書いてみたり、現実を超越した詩を書くために現実を超越した状態に自分を持って行こうとした。もう誰も生み出せないような詩を書きたかったんだろう。誰も生み出せない記録を作ろうとするアスリートみたいだなぁ、と。そのためなら努力は惜しまず、少しくらいなら命を縮めてもいいと思ったことだろう。