ヘビー級が最高に面白かった頃

僕が中学一年生の頃、確か2月11日だったかな?、当時最強を誇っていたマイクタイソンがKOで敗れた。世紀の番狂わせ。史上最大の番狂わせと言って差し支えないかもしれない。タイソンを倒したのはジェームスダグラス。無名のかませ犬がライオンを噛み千切ったのだった(この日のダグラスは速かった。特にリードジャブが。それに引き換えタイソンは練習してなかったでしょう、もう最低の出来)。そしてそのダグラスが初防衛戦(確か9月だったと思う、11月?)でイベンダーホリフィールドにワンパンチでKOされ、それによってヘビー級は戦国時代へと突入する。
このヘビー級戦国時代の主役はもちろん、カムバックロードを行くマイクタイソン。再び統一王座へとKOで突き進むのがシナリオだ。当時このタイソンと並び4強と言われたのが、まずは一人目イベンダーホリフィールド。クルーザー級のチャンピオンから階級を上げ、ヘビー級のランキング1位まで来ていて打倒タイソンの一番手と目されていた。タイソン-ダグラス戦の後タイソンとやる予定だったがタイソンが敗れたことにより、ダグラスに挑戦。3ラウンド見事なKO勝ちで統一王座についた。ちなみにタイソンが敗れた時ホリフィールドは会場にいて、ショックで目には涙を浮かべていたという。スピードテクニックともに抜群で、なんと言っても頗るタフだった(ダウンした後の回復がメチャクチャ早かったなぁ)。
そして二人目、ドノバンラドック。フックとアッパーの中間位置から放つスマッシュと呼ばれる強烈なパンチを武器に、KO量産で連勝街道を走る男。スマッシュが当たればタイソンでも倒れると言われた。
3人目がジョージフォアマン。ゾウをも倒すパンチと呼ばれかつて一時代を築いた元チャンピオンが神のお告げでボクシングに復活(戦国時代突入時40歳くらいかな?)。ダルダルのお腹、その年齢に、周囲は誰もが笑い本気にはしなかったが、KOの山で連戦連勝。タイソンとの対戦があれば人気№1カードだったかもしれない。これにタイソンを加えて4強。
そして第五の男と言われたのがリディックボウ。タイソンと同じブルックリンの出身。オリンピック金メダル候補と言われながら決勝で敗れ、チキンハートと揶揄された。プロ転向後は連戦連勝、若手№1であった。
そしてイギリスのレノックスルイス。リディックボウとオリンピックの決勝で戦い金メダルとなった男。この男も連戦連勝KOの山を築いていた。
ホワイトホープ、トミーモリソン。白人の期待を一身に背負って連勝中だった。映画ロッキー5にも出演した。
ブルースセルドンはそのファイトスタイルから、小型タイソンと言われた。小型とは言われたが身長はタイソンよりも10センチほど高かった。
マイケルモーラーはライトヘビー級史上最強と言われ、体重を増やしヘビー級に挑戦していた。なんとなく僕が感じただけかもしれないが、天才という感じがした。モーラーを初めて見たとき幻想的だったなぁ。ヘビー級の歴史でサウスポーのチャンピオンはいなかったが、モーラーはサウスポースタイルだったのも魅力の一つだった(左利きでもオーソドックスに構えるのが普通)。
こんな素敵なメンバーが次々と対戦していきました。面白そうでしょ。