松本人志を「シネマ坊主」する

初めに言っておくが、僕は松本人志が嫌いではない。どちらかと言えば好きだし、高校生の頃はファンと言えるほどだった。松本の本も何冊か持っているし、映画も「大日本人」は映画館で観ている。
松本の本で「シネマ坊主」というのがある。映画情報誌かなんかで連載していたものが本になったはず。1、2、3とあり、僕は三冊とも持っている。松本が映画を観て10点満点で点数を付け、コメントをするという内容。その第一回で取り上げられたのが「ライフイズビューティフル」で、松本は一回目と言うことからおもいっきりクサそう(悪く評価しよう)と思っていたとのことだったが、あまりに素晴らしい映画のため初回からいきなり10点を付けることとなる。「ライフイズビューティフル」は本当に素晴らしい映画だ。僕は人が死ぬシーンで泣かせようとする映画が好きではないが、この映画は主人公が死ぬシーンは見えないところで「ドン」の銃声で終わり。そういうところも素晴らしい。
ところで他の映画をさんざんコケにしたり、時に少々褒めたりしてきた松本。自分の映画「大日本人」の評価はどうだったかというと・・・・確か9点付けてたような。それでコメントで10点付けるとこの先がないから的なコメントだったような・・・・。ってか「大日本人」そんなに良い映画か?。この映画、嫁と一緒に映画館で観たのだが、二人の共通の感想が「まっちゃんの映画だから最後まで観られた」だった。松本が作ったのだから面白くなるはずだ、という想いで最後まで、でなければ正直飽きてたと。だから松本を知らない外国人が観てはキツイかなぁと感想。実際たけしと一緒に招待されたベルリンかな?映画祭で、客が途中で結構席を立ち、松本はショックを受けてた。たけしがフォローしてたけど「外国では普通のことだから」と。「才能のある人だから」とも。けれども「大日本人」が良い映画だとは言わなかった。
松本のコメントで「テレビの仕事をこれだけやりながらだと、こういう感じの映画しか撮れない」というようなのがあった。そういうこと言うのなら、映画を撮らない方が良いと思った。
常々松本は映画の尺はせいぜい1時間半が限界、それ以上は観ていてキツイ、というようなことも言っていた。「大日本人」は2時間を越えている。
僕からすると「大日本人」はあまり面白くなかった。けれどももう一度観てみたいという想いもある。ただそれは、映画への想いというよりやはり、まっちゃんの映画だからという「人」先行の理由から。
二本目の「しんぼる」はレンタルで家で観た。「大日本人」よりは明らかに良かった。三本目の「さや侍」はまだ観ていないが、僕の予言として「しんぼる」よりさらに大分良いと思う。