選ばれたことの恍惚と不安と二つ我にあり

「選ばれてあることの恍惚と不安と二つ我にあり」
これは詩人ヴェルレーヌの言葉だ。太宰治が愛した言葉でも有名。太宰の記念公園とも言える芦野公園、そこにある太宰の記念碑には、金色の鳳凰の下にこの言葉が記されている。
「選ばれし者の恍惚と不安と二つ我にあり」
これは前田日明がUWF旗揚げの時に、開幕セレモニーで語った言葉だ。もちろんヴェルレーヌの言葉を借りたもの。その旗揚げ興行はわずか六人での始まり、たった三試合で始まったのだった。未知なる格闘技としてのプロレスが・・・・。
それを逆手にとって鈴木みのるが、「俺達は選ばれる為にやって来たんだ」と言ったが、今はそれはどうでもいい話。
「選ばれたことの恍惚と不安と二つ我にあり」
これは僕の今の心境だ。本日付で、僕は所長になった。アルバイトで入り五年、社員になってわずか二年の、飛躍的昇進ではあるが、特に僕が何か立派なことをしたわけではなく、ただ単に営業所の流れ的なことから始まり、まあ色々とあってそうなった。つまり僕は、あまり僕である必要性のないままに選ばれた。ただそこにいたから選ばれた。正直まともであれば誰でも良かったんだと思う。ただ、それでも選ばれた。「選ばれてあること」でも、「選ばれし者」でもないけれど、選ばれたことは間違いない。
正直多忙すぎて、仕事がまったく追いついていない。一人欠員状態であり、仕事は山積み、山はどんどん大きくなって行くばかり。
家に帰ればクタクタだ。オンザロードシリーズで、僕は今九州にいるが、果たして帰って来ることが出来るだろうか。