2012-01-01から1年間の記事一覧

オンザロード12「旅の原則が僕にやるべきことを教えてくれる」

早朝、僕は世界一長いベンチに座っていた。端から端まで、一体何メートルあるのだろうか。それは海沿いにずっと伸びている。途中、俵万智の短歌の立て看板があって、次のように歌っていた。 「桜貝の淡きピンクを一身に 集めて立てり浜の少女は」 俵万智って…

オンザロード11「よく晴れ渡った能登半島制覇」

車を止め、坂道を歩いていた。能登半島最北端、そのてっぺんはもうすぐそこだった。舗装された道路を歩きながら、その横には畑があり、おばあちゃんが草取りをしていた。この道が坂道であるように、おばあちゃんが働く畑も、結構な勾配となっていた。僕も、…

オンザロード10「目指すは半島のてっぺん」

僕には「能登」という変わった名字の友達がいる。性格も少し変っていて、だがまあ今はそれはどうでもいい。彼は長距離トラックのドライバーをやっていて、この旅に関して僕は二つアドバイスを受けていた。一つ目、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋のパーキングには…

オンザロード9「道の上で眠るということ」

体はかなり疲れていた。だが、なかなか寝付けない。気持ちが興奮しているんだろうか。僕は車から降りた。この道の駅の駐車場からは海が見える。ホタルイカの里ということ。海の中でキラキラ光るのが見えるとか。月明かりに跳ね返り見えると言うことか。それ…

オンザロード8「新潟の桜道を行く」

清々しい朝だった。五時半起床。昨夜は眠れるか不安だったが、少々図太くなったのか、それなりによく眠れた。顔を洗い、歯を磨き、出発。車はぐんぐん進んで、10時頃には柏崎市まで来た。この頃まだ、新潟沖の地震は起きていなかったし、この街に原発がある…

オンザロード7「旅に想定外はつきもの」

出発時のオデッセイの走行メーター、なんと120200キロ。タイミングベルトは代えてあったが、正直不安はあった、途中で止まらないかと。まぁ止まったら仕方がない、でも、それで引き返すのはカッコ悪いなぁ。 と、まあ始めから不安を抱えたまま、それでも愛車…

オンザロード6「唯一の決められた場所へ」

27歳を目前にした僕の現状は、仕事もなく、恋人もなく、手に職もなく、何ら資格もなく、住む家ももはやないに等しく(姪っ子達が大きくなり)、頭の中にあるものと言えば現実的には役に立ちそうもないガラクタや石ころばかり。そんな男が一人、旅へと出発し…

オンザロード5「書を捨てよ、旅に出よ」

木曜日、その日は最後の出社日で、明日からは有給の消化が一ヶ月半ほど続くことになっていた。今日は定時で上がり、その後はハイロウズのライブの予定。だが、僕の体調は最悪だった。熱は38度越えていたし、咳は出る、痰は絡む、もう最悪。ライブに行くかす…

オンザロード4「車の中に寝床を作る」

僕はまず会社に辞表を出した。その頃には僕は、会社でもかなり態度がでかくなっていたため、所長は僕が辞めることを「困った」と言いながらも少しホッとしているようでもあった。 会社ではすぐに求人を出した。不景気もあって、十五人ほどの応募があり、面接…

オンザロード3「タカタク登場、五百円玉は何枚?」

さあ貯金箱を開けようか。だが折角これだけ頑張ったのに、一人で開けて、一人で数えるのはなんだか寂しい。そこで僕は、友達を呼んで二人で数え、その感動を分かち合うことにした。そこで選出された友達は、通称タカタクと呼ばれる大親友だった。 ここで少々…

オンザロード2「五百円玉を一枚入れるごとに出発は近づく」

五百円玉貯金、実は中学生の時から高校生にかけて一度挑戦したことがあった。その時も大分頑張ったが、結局途中で開けてしまい(缶でできていて缶きりで開ける)、結果は十七万円ほどだった。それでも当時はある程度の満足感があった。十七万まで行ったとい…

オンザロード1「そうだ、日本へ行こう」

十代も後半、いわゆる思春期と言うやつに、僕は思った「せっかく生まれて来たんだから世界のすべてを見てみたい」と。例えばマチュピチュ、例えば万里の長城、例えばサクラダファミリア、例えばピラミッド。まだまだまだまだまだ全部、この世に生を受けたか…

第三次世界大戦はダメだよと園児達が言っている

中国で反日デモが激化し、歯止めが利かなくなっているが、これがもっと巨大になれば、いよいよもって第三次世界大戦へと発展して行くんだろうか。誰一人そんなことを言う奴はいないが、まったくなくはない話ではないのかな。僕からすればよく分からないので…

とある確率論的話

サイコロを振る。どの目が出るかは6分の1の確率。6回振って、6種類の目が出るとは考え辛いが、例えば60回、例えば600回、例えば6000回、振れば振るほどにその確率は正確になって行くはず、6分の1という確率が。 では例えば1回目を振る。1が…

携帯は水の中で沈黙した

今日携帯を水没させてしまった。池の中に転がっていく携帯電話は、スローモーションで、僕はその一瞬に「あっ、マジ?、やばい転がっているのは携帯、うん?なんで俺の携帯、池に落ちる?ウワぁー、マジ?」ってその位の独り言は頭の中で唱えたと思う。事故…

「復讐」は松坂が広めたんだ

リベンジという言葉を、今は皆「この間の負けの借りを返す」的に使うけれど、リベンジって直訳すると「復讐」となるんだよね。今では小学生だって使う「リベンジ」と言うこの言葉、なぜ皆このように(借りを返す的に)使う様になったか?。・・・それはKー…

福永武彦ほどの人物を

福永武彦という作家を知っている人は、今の世の中に一体どれくらいいるのだろうか。・・・・多分ほとんどいないと思う。例えば僕の中学時代の同級生、120人ほどいたが一体何人福永武彦のことを知っているだろう。多分僕一人ではないだろうか。読書好きの人も…

原発反対、昼からビール賛成

原発の再稼働は、この夏本当に必要だったのだろうか。答えは簡単、不要です。世界にまったく不要です。一基もいらない。全て無くなって欲しい。オスプレイもいらない。まったくの不要です。人的ミスだから安心ですか。あなたの家にどうぞ。原発も、オスプレ…

範馬刃牙最新巻DEMASITA

範馬刃牙の36巻が発売された。次の巻が最終巻かな?でも最後の予告に最終巻とかの情報なかったな。どうなんだろう。ところで週刊誌の方では、多分もう終わっているはず。結果が出ているんだろうけどどっちが勝つのかな。単行本でしか見ない主義の僕の状況…

プレゼントが「絶対に欲しいもの」ではつまらない

最良のプレゼントは何か?と考えた時に、僕が考えるそれは「相手が絶対に欲しいもの」ではない。なぜならば「絶対に欲しいもの」ならば、絶対に手に入れるつもりだった分けで、つまりはそこにはサプライズが薄い。例えばそれが十万円もするものならば金額的…

村上春樹を知らないなんて・・・・・

この世で最も不幸なことのうちの一つは、「村上春樹の小説を読んだことがない」ということではないだろうか。「何を大袈裟な」という声が聞こえてきそうだが、村上春樹の小説を読んだことがある人ならば少しは分かるはず。大ファンならば、彼の小説がない人…

写真を持った休日

十五年も前になるだろうか。僕は唐突に一眼レフのカメラを買った。そして突然に、写真を撮って歩くようになった。風景というよりも、風景の一部を。風景の一部と言うよりも、街の一部、あるいは時の一部を。その写真に言葉を添えて、写真集を作った(手作り…

先生、僕の教科書に誰か牛乳をこぼしちゃった

小学から高校卒業まで、何人の教師に出会ったのだろう。良い先生ももちろんいたが、正直こんなんで良いの?という先生もたくさんいた。例えどんなに良い先生でも、矛盾を感じたり、ムカッと来たりはするもので、それは教師も人間だからもちろん仕方のないこ…

ネコは人殺しになりうるか

牛殺しと言えば大山倍達。熊殺しと言えばウイリーウイリアムス。マンガの中では独歩は虎殺しであったし、ユウジロウはホッキョクグマなどを殺している。果たしてそれらは人間に可能であるのか。人間は果たして、本当にそこまで強いのか。銃を持てばそこそこ…

バッハはバッハの中の王様になった

バッハという音楽家は有名だが、バッハという名の音楽家がたくさんいたことを知る人は少ないんではないだろうか。バッハという名の音楽家はたくさんいた、そこであの一番有名なバッハは「大バッハ」呼ばれるようになった。バッハの話をしていても音楽に詳し…

あるベートーベンのように

僕の小学校の音楽室には、音楽家たちの肖像画がズラリと貼られていたが、それは多分どこの小学校も同じだったのではないだろうか。 ある時友達が、ベートーベンの肖像画を見て、別の友達の父さんに似ていると言い出し、それ以後その友達の父さんはベートーベ…

ショパンの失恋

ショパンの失恋はよくある失恋だったのかもしれないが、彼を鬱に陥れ、二度と脱出できないまでに打ちのめした。 ジョルジョ・サンドとの別れは悲しみの極致だった。ショパンが絶望の淵にいる時に、サンドは新しい若い恋人と南フランスでバカンスを楽しんでい…

アインシュタインVSモーツァルト

ずっと前にテレビで、アインシュタインとモーツァルトはどっちが天才か?、というのをやっていた。司会者と、その他に大学教授みたいな感じの人が二人出ていて、VTRを交えながら意見を述べ合って行くという内容だったと思う。その問いがすでにナンセンス…

息子よ、君は何を選ぶのか

この間ある車屋の社長さんと話をしていて「子どもに何をやらせるの?」と聞かれた。その社長の娘さんは小学生で、スキーの高いレベルの級を持っているとのこと。もちろんその社長が熱心に連れて行って、上達させ、級を取ることを勧め、見事な成績を修めてい…

思い出すあの人の笑顔には確かな体温がある

協力会社の所長が亡くなった。45歳という若さだった。四日ほど前に電話で話したばかりだった。電話口の彼は、普段通り元気で、今ではもうこの世にいないなんてチョット信じられない。 十日ほど前には、無理を言っていきなりのチャーター依頼を了承して貰っ…